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腎・泌尿器科

腎臓は一対の臓器で、“からだの中を健康な状態に保つため”に仕事をしています。
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① 老廃物の排泄
② 水分の調節
③ 電解質のバランス調節
④ 酸塩基平衡のバランス調整
⑤ 造血ホルモンの分泌
⑥ 血圧の調節
⑦ ビタミンDの活性化

○尿管閉塞

腎臓で作られた尿は、尿管を通り膀胱に蓄尿されていきます。
その尿管に結石や腫瘍などによる詰まりが起きる事を尿管閉塞といいます。
腎臓は2個ありますが、すでに片側の機能低下を引き起こしている場合や、両側同時に尿管閉塞が起きると急性腎不全に陥るために早急な治療が必要になります。

近年、SUBというデバイスを利用して腎臓と膀胱のバイパスを作成する尿管閉塞への手術方法の一つになります。

SUBの利点としてその他の治療法と比較して処置時間が短く、動物に対する麻酔・手術負担が少ないことや尿管閉塞の再発のリスクが低いことが挙げられます。尿管閉塞は時間が経つと腎障害が進行してしまうため、できる限り早期の治療が大切です。

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両側尿管閉塞による急性腎不全にSUBシステム設置後のレントゲン

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  尿管閉塞による水腎症            バイパス手術により改善した腎臓

○尿道閉塞

膀胱に蓄尿された尿は尿道を通って外に排尿されます。
その尿道に結石、炎症物質、腫瘍、会陰ヘルニアなどで詰まってしまう事を尿道閉塞といいます。

尿道閉塞を起こすと、落ち着きがなくなり、何度もトイレに入り排尿しようと排尿姿勢をとったりしきりに力む様子が見られます。
全く排尿できず尿道閉塞が持続すると、食欲不振や嘔吐、昏睡といった尿毒症の症状を示します。膀胱破裂や急性腎不全引き起こして命に関わる場合もあります。

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尿道に詰まった結石(赤丸)膀胱の中の結石(黄丸)

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尿道を切開し結石を摘出

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尿道・膀胱から摘出した結石

○会陰尿道瘻

猫ちゃんの雄の尿道閉塞の場合、尿道に細い管(カテーテル)を通して詰まりを解除します。
しかし詰まりが解除できない場合や、処方食を使用しても尿道閉塞を再発する場合、会陰尿道瘻形成術(陰茎を切って、雌の広い尿道のように形成)を行います。
術後の太くなった詰まりづらくなった尿道は元の位置とほぼ同じところに出口を形成するため、猫ちゃんも飼い主さんも違和感のない術式です。
また当院では包皮粘膜を利用した手術のため狭窄などの合併症を少なくなります。

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尿道閉塞を繰り返した陰茎

会陰尿道瘻形成術後の状態

○慢性腎不全

高齢のネコちゃんに最も多い病気のひとつが慢性腎不全です。

腎不全になると、血液中の老廃物を「濾過」する働きや、体に必要な水分を「再吸収」する働きが低下してしまいます。このため、水分を捨てすぎて脱水になったり、血液中に毒性のある不要物がたまったり障害を起こしたりします。

~病気のサインに要注意~
最もよくみられる症状は、元気消失食欲低下体重減少などですが、老齢の猫であれば、このような症状が少しずつ見られるのは仕方がないと思われ、見過ごされがちです。
また、「多飲多尿」つまり「よく水を飲み、たくさんおしっこをする」といった、一見問題がなさそうな症状が病気のサインであったりします。必要以上に尿がでるため、お水を飲んでいるはずなのに、実は体には水分が足りない「脱水状態」になっていることも多いのです。

~悪化してくると…~
毛づやが悪くなり、筋肉も落ち、行動が緩慢になって、よく寝ることが多くなってきます。さらに体内に老廃物がたまって吐き気がでてきたり、食欲不振が続いたりします。
さらに、口に中に潰瘍ができ口臭がひどくなる、下痢や便秘といった症状が見られるようになります。また、貧血になったり、網膜剥離になったりと、直接腎臓とは関係ないような症状もみられることがあります。
慢性腎不全は時間とともに進行し、体を維持する腎機能がなくなってしまうと「尿毒症」という状態に陥り、最終的には死を迎えてしまいます。

どのように慢性腎不全を診断するの?

臨床症状から慢性腎不全が疑われると、身体検査、尿検査、画像検査(レントゲン・超音波検査)などを組み合わせて診断を進めていきます。
一般的に、血液検査では血中尿素窒素(BUN)と血清クレアチニン(Cre)を指標にしますが、これらは腎臓機能が75%以上障害されてからでないと異常値を示しません。尿検査においては、比重や蛋白などが重要視されます。近年はシスタチンC、SDMAなどのバイオマーカーを測定する事により早くに腎臓の異常を検出する可能性があります。
腎臓の大きさや内部構造の異常などは、血液検査や尿検査では分かりませんので、画像診断が適しています。それ以外にも慢性腎不全の原因を確実に突きとめるために、組織検査などを行うこともありますし、目の症状があれば、眼底検査血圧測定をすることもあります。


当院ではthinka RT-4010(アークレイ)を導入しています。この機器は、イヌ・ネコ専用の尿化学分析装置で、ブドウ糖や蛋白質などの尿一般検査の項目と同時に、腎疾患の早期発見に有用なマーカーである尿中蛋白質・クレアチニン比(UPC)を簡便・迅速に測定することが可能です。UPCの測定値は、国際的なガイドラインで病期ステージ分類による腎疾患の評価システムとして紹介されるなど、腎機能を検査する上で測定意義が高い項目として注目されています。当院では、診療現場ですぐにUPCの測定が可能となっております。

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慢性腎不全の治療法は?

腎臓は一度障害を受けて機能を失ってしまった組織が再生することは期待できません。
また機能を失った組織が行っていた仕事をまだ残っている正常な組織で行うことになるため、正常な組織は通常よりも仕事量が増えてしまい、さらに腎臓が悪くなるといった悪循環に陥ります。
ですから、できるだけ早くから治療を行うことによって腎臓の機能が悪化していく速度を抑えつつ、残っている正常な腎臓組織にできるだけ負担をかけないようにすることです。
また、腎臓病の原因が明らかに分かっている場合は(感染、腫瘍、結石など)には、それらに対する積極的な治療も行います。

~実際の治療とは~
腎臓用の療法食
輸液(皮下補液、静脈点滴)(入院・通院・在宅)
吸着剤(尿毒症物質、リンを吸着する)の投与
ACE阻害薬(血圧を下げ、尿蛋白の漏出を低下させる)の投与
Caチャネルブロッカー(血圧を下げる)の投与
消火器作用薬(H2ブロッカー、胃粘膜保護剤、制吐剤など)の投与
造血ホルモン製剤の投与

慢性腎不全は予防できるの?

ライフステージにあった食事
新鮮な水をいつでも十分飲める環境作り
適切なワクチネーション
定期健診(最低でも1年に一回の血液検査、尿検査、画像診断など)
トイレは猫の好みに合ったもので、いつも清潔にする
できる範囲でストレスのかからない環境つくり
1日のおしっこの回数や量を時々チェックする

慢性腎不全は老齢期に発症しやすい病気で、完全に予防できるものではありませんが、これらのことにより予防や早期発見、早期治療につながります。

○会陰ヘルニア

症状は便秘や排便困難が見られるようになり、肛門の脇に膨らみが確認されるときもあります。まれにヘルニア内に膀胱が飛び出した場合には、排尿障害が見らます。

会陰ヘルニアは、骨盤隔壁の脆弱化(会陰部の筋肉が弱くなること)がおもな原因となって発症します。この脆弱化には雄性ホルモンの影響や腹圧の上昇や筋力の低下を引き起こすような病気などが関係していると考えられています。そのため中高齢の未去勢の雄の犬ちゃんに多く見られます。

治療としては、飛び出した臓器を元の状態に戻し、筋肉の隙間をふさぐ外科手術が推奨されています。手術の術式は様々(内閉鎖筋フラップ、結腸固定、ポリプロピレンメッシュなど)ありますので、その犬ちゃんの状態に合わせて行います。
去勢していない犬の場合は反対側にヘルニアを発症しやすいため、会陰ヘルニアの治療と同時に去勢手術を行うことがすすめられています 。

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   会陰部のヘルニア内容物

    内閉鎖筋、仙結節靭帯を用いて整復

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